2025年5月、相撲界に新たな歴史が刻まれました。第75代横綱として大の里が正式に昇進。そのニュースは日本中を駆け巡り、相撲ファンのみならず、世間の大きな注目を集めました。しかし、横綱になるということは、単に「強い力士」になるだけではありません。そこには驚くほどの待遇の変化、収入アップ、日常生活の変化、そして見えないプレッシャーが待ち受けています。
この記事では、大の里の横綱昇進に伴う待遇の変化や、相撲界ならではの「お金と地位」のリアルな裏側について、わかりやすく解説します。中学生でも理解できるように構成しましたので、相撲初心者の方もぜひ最後までお読みください!
Table of Contents
大の里が第75代横綱に昇進!その背景と注目ポイント
大の里とは?経歴と成績まとめ
大の里(おおのさと)は、2025年5月に第75代横綱に昇進した新時代のスター力士です。本名は渡辺大地(わたなべ だいち)。出身は石川県で、二所ノ関部屋に所属。圧倒的な体格と突き押し相撲を武器に、デビューからわずか数年で大関へと駆け上がりました。そのスピード昇進は歴代でも稀であり、多くのファンや関係者が「ポスト白鵬」として期待してきました。
近年の取り組みでは、豪快な突っ張りと粘り強い足腰で白星を量産し、特に2025年春場所での全勝優勝は、横綱昇進の決定打となりました。大の里は単に勝ち星を重ねただけでなく、その内容が圧倒的だったため、誰もが納得の昇進となったのです。24歳という若さも話題になっており、これからの相撲界を牽引する存在として注目が集まっています。
また、彼の柔和な人柄もファンから支持されており、インタビューなどでは礼儀正しい受け答えと、真面目でストイックな性格が際立ちます。まさに「文武両道」を地でいく存在。こうした背景が、今回の横綱昇進をさらに価値あるものにしています。
横綱昇進までの道のりと審議の裏側
横綱昇進には、単なる勝ち星だけでなく、「品格・力量の両面において優れている」ことが求められます。大の里は大関昇進後、連続で好成績を収めただけでなく、取り組み内容においても安定感と迫力を兼ね備えていました。
特に注目されたのが、春場所での全勝優勝。これは横綱候補としての大きなアピールポイントとなりました。昇進を審議する横綱審議委員会では、この結果をもって「満場一致」での推薦が決定。加えて、土俵上での所作や立ち居振る舞い、対戦相手への礼儀なども高く評価されました。
審議会では、他にも若手の台頭が相次ぐ中、「新しい時代を担う横綱の誕生が必要」との意見も多く出ました。こうした世代交代の波も、大の里の追い風になったといえます。また、師匠である二所ノ関親方の熱心な指導も、昇進を後押しした要因のひとつです。
結果として、2025年5月29日の番付編成会議と臨時理事会において、正式に「第75代横綱 大の里」が誕生する運びとなりました。
全会一致の理由とは?他の候補との比較
大の里の昇進が全会一致となった背景には、他の候補との明確な差がありました。近年の幕内上位力士の成績を見ても、安定して二桁勝利を挙げている者は少なく、大の里ほどの存在感を放つ力士は現時点では他にいませんでした。
また、力士としてのキャリアにおいても、ケガによる長期休場がなく、常に安定した土俵入りを見せてきた点が評価されました。相撲界では「継続的に出場できる体力」も非常に重要視されており、その点で大の里は理想的な横綱候補といえます。
さらに、言動や立ち振る舞いにおいても模範的で、暴言やトラブルとは無縁。過去には将来の横綱候補と呼ばれながらも、品格の問題で昇進が見送られた例もある中、大の里の誠実さが他候補との差別化につながりました。
このような要素が重なり、委員全員が「異論なし」と評価した結果が、全会一致の昇進承認につながったのです。
名古屋場所を前にした注目ポイント
横綱としての初陣となるのが、2025年7月に開催される名古屋場所(会場:IGアリーナ)です。今までとは異なり、「横綱としての風格」が問われる舞台。観客の視線もメディアの注目も一層集まります。
特に注目されるのは、土俵入りの所作。これまで大関としてのルーチンを行っていた大の里が、新たに「横綱土俵入り」を披露します。綱の締め方、四股の踏み方、力強い立ち姿——全てが“見せ場”になります。
また、相手力士も「横綱に勝ちたい」という思いで臨んでくるため、取り組みの難易度は格段に上がります。横綱としての自覚と、結果を出すプレッシャーとの戦いが続くことになるでしょう。
それでも、多くのファンは「初場所から優勝もありえる」と期待を寄せています。プレッシャーを力に変えられるかが、今後のカギとなります。
大の里の人柄と周囲の反応
大の里は、見た目の迫力とは裏腹に、非常に礼儀正しく、穏やかな性格で知られています。報道陣への対応も丁寧で、取材に応じる際も常に落ち着いた口調。自分の力だけでなく、部屋や支えてくれるスタッフ、家族への感謝を忘れない姿勢が、多くの人の心を打ちます。
その人柄はファンの間でも評判で、「応援したくなる横綱」「人間としても素晴らしい」との声がSNSでも広がっています。付け人や若手力士からの信頼も厚く、部屋の中では兄貴分的な存在として慕われているそうです。
横綱昇進が発表された日、両国国技館前には多くの相撲ファンが集まり、大の里を祝福する光景が見られました。相撲界だけでなく、全国の注目を集める存在となったことを象徴する出来事でした。
横綱になると年収はいくら?収入と賞与の全貌
月給はどれだけアップするのか?
横綱になると、まず大きく変わるのが「月給」です。大関時代の月給は250万円でしたが、横綱になると一気に300万円にアップします。これは単純に月額で50万円の増額。年収ベースで見ると、600万円もの収入増になる計算です。これは、サラリーマンの平均年収をはるかに超える金額であり、いかに横綱という地位が特別かがわかります。
この月給は、勝ち負けに関係なく固定で支給されるため、成績に関係なく安定した収入が保証される点も特徴です。もちろん、それだけ責任も大きく、相撲協会やファンからの期待も跳ね上がります。しかし、成績にかかわらず地位が下がらない横綱だからこそ、その分を考慮した報酬体系となっています。
この基本給に加え、各場所ごとの成績優秀者に贈られる「三賞」や、後述する各種手当も含めると、実際の月収はさらに高額になる場合もあります。つまり、横綱は名誉職であると同時に、収入面でも極めて優遇された立場なのです。
巡業手当・日当などの詳細
本場所だけでなく、全国を巡る「地方巡業」に参加することでも収入があります。横綱になると、その手当も優遇されます。具体的には、1日あたりの日当が9,500円から11,000円へと増額され、宿泊費もグレードアップ。これにより、1回の巡業(約1ヶ月)で得られる収入も大きく変わってきます。
また、巡業中は地方のスポンサーや自治体との懇親会などもあり、そこでの謝礼や手土産なども含めると、目に見えない部分でも経済的なメリットは多いのです。交通費や食事代などはすべて相撲協会から支給されるため、実質的な出費はほとんどありません。
巡業は体力的に厳しい一方で、ファンサービスや地域貢献の意味もあり、横綱にとっては非常に重要な仕事です。そこでも最高位力士としての振る舞いが求められるため、報酬が高くなるのは当然ともいえます。
昇進祝い金や引退時の養老金とは?
横綱昇進が決まると、相撲協会から「昇進祝い金」として100万円が贈られます。これは名誉賞とも言える存在で、現役力士の中でこの支給を受けられるのは横綱だけです。この金額は一時金として支給され、本人の意思で自由に使用できます。
また、将来的に引退する際には「養老金」と呼ばれる退職金のような制度もあります。大関の引退時には1,000万円が支給されますが、横綱になるとその額が1,500万円に増額されます。これは基本給の差によるものであり、引退後の生活支援の意味も込められています。
さらに、横綱として活躍した年数や功績に応じて、追加報酬が上乗せされることもあります。こうした制度があることで、力士たちにとって横綱という目標が大きな夢であり続けているのです。
師匠への支給金の仕組み
横綱昇進は、本人だけでなく師匠にとっても大きな名誉です。それにともない、相撲協会からは「養成奨励金」として、師匠に毎場所30万円が支給されます。これは大関時代の20万円から10万円アップした金額であり、1年間で180万円の追加報酬になります。
この制度は、若手力士の育成や指導に対する報酬として設けられたもので、弟子が横綱まで育ったことに対する“成果報酬”とも言えます。二所ノ関親方のように、部屋運営と弟子の育成に尽力する指導者には、大きな励みになる制度です。
また、横綱を育てた師匠は、協会内でも地位が高く評価されるため、将来的な理事候補や要職への道も開けやすくなります。弟子の成功が師匠のキャリアにも直結する、まさに相撲界ならではのシステムです。
相撲界全体の報酬体系との比較
相撲界の報酬体系は、序列が非常に明確で、番付によって大きく収入が異なります。たとえば、幕下以下の力士は月給がなく、手当中心の生活を強いられますが、十両に昇進すると月給100万円が支給されます。
その後、関脇で180万円、大関で250万円、そして横綱で300万円と、上位に行くごとに報酬は倍増していきます。これに加えて懸賞金や手当などが加算されるため、横綱ともなれば、年収は数千万円にも達することになります。
さらに、特別な記録や貢献を果たせば、協会からの特別功労金や表彰金なども支給されるため、実質の年収はさらに高くなります。名誉職でありながら、実利も伴うのが横綱という地位の特徴です。
付け人が3人から10人に?横綱の生活スタイル
「付け人制度」とは何か?
「付け人制度」とは、相撲界に古くからある制度で、上位の力士が日常生活を円滑に過ごせるように、下位力士がサポートする役割を担う仕組みです。力士の世界では、番付がすべてを決めると言っても過言ではなく、上位力士はそれに応じた待遇と支援を受けるのが当たり前です。
付け人の主な役割には、稽古中のサポート、衣類や道具の準備、食事の手配、外出時の同行、荷物運びなどがあり、特に本場所や巡業ではその重要性が高まります。横綱や大関ともなれば、1人では身動きがとれないほどの仕事量になるため、常に数人の付け人が行動を共にします。
大関時代の大の里には3人ほどの付け人がいましたが、横綱に昇進することでその数は一気に約10人にまで増えるとされています。これは横綱土俵入りや綱締めの補助、移動や儀式の準備など、特殊な業務が加わるためです。付け人の選定は部屋内で行われ、信頼関係や力士の資質も考慮されます。
この制度は単なる雑用係ではなく、若手力士にとっては横綱の近くで学べる貴重なチャンス。礼儀作法やプロ意識を肌で感じられる場でもあります。
横綱になると何が増える?明け荷や役割の違い
横綱になると、日常の持ち物や移動に必要な荷物も増加します。たとえば、横綱の象徴である「綱(つな)」は非常に重く大きいため、専用の収納箱「明け荷(あけに)」が必要になります。大関までは1つで足りた明け荷も、横綱になると最大3つに増えるとされており、準備や管理の負担も大きくなります。
このような道具類の準備は、すべて付け人が担当します。綱の管理、衣装の整備、靴の用意、傘の持参に至るまで、横綱がスムーズに行動できるようサポートするのが彼らの役目です。特に土俵入りの日には、多くの儀式用具が必要となるため、通常よりも数倍の準備が必要です。
また、土俵入りの際には「露払い」「太刀持ち」という役割を担う力士も必要となり、これも明確な序列と役割分担が決められています。横綱1人のために、10人以上の力士やスタッフが動くことになるため、その管理には大きな労力がかかります。
こうした「増える荷物」や「増える役割」を支える体制があることで、横綱は常に威厳ある立ち姿を保つことができるのです。
支える裏方たちのリアルな日常
横綱の身の回りを支える付け人や裏方たちは、毎日早朝から夜遅くまで働いています。たとえば、早朝の稽古前には、稽古場の清掃や水の準備、タオルや稽古道具のチェックなどを行い、稽古中は横綱の要望に即応できるよう控えています。
また、外出時には荷物の運搬だけでなく、移動ルートの確認や車の手配、会場での受付まで担います。食事の時間になると、食事処の予約や配膳の準備まで行い、横綱が快適に過ごせるよう細やかな配慮を続けます。
彼らの一日は、まるでコンシェルジュのような丁寧な対応の連続。失礼があれば横綱の名を汚すことにもなりかねないため、常に緊張感と責任感を持って働いています。とくに横綱の顔ともなる記者会見やテレビ出演の場面では、服装や言葉遣い、立ち位置までも完璧に整えることが求められます。
付け人たちの努力があるからこそ、横綱は堂々と土俵に立ち続けられるのです。
一流の所作と支度部屋のルール
相撲界には、礼儀と格式を重んじる厳格なルールがあります。特に横綱ともなると、そのすべてが「見られる」存在になるため、一つ一つの所作が非常に重要になります。たとえば、土俵入りの際の歩き方、立ち姿、視線の向け方に至るまで、すべてが格式に則った動きでなければなりません。
支度部屋では、横綱は最も奥の特等席に座り、誰よりも早く準備されます。髷(まげ)を結う床山、体をほぐす付き人、衣装を整える人など、多くの人々が一斉に動く中、横綱自身は一言も発せず静かに準備を整えます。これは「無言の威厳」を保つための伝統であり、その空気感こそが横綱の“格”を示しています。
また、他の力士が支度部屋に出入りする際にも、横綱の前では一礼するなど、明確な礼儀が存在します。こうした所作やルールを学ぶことで、若手力士たちは相撲道の本質を身につけていくのです。
付け人と横綱の信頼関係
横綱と付け人の関係は、単なる上下関係ではありません。長年にわたり生活を共にすることで、深い信頼関係が築かれていきます。横綱は自分の身体と生活を任せるわけですから、信頼できる付け人を選ぶことが非常に重要です。
逆に、付け人にとっても、横綱のそばで学べることは多く、将来の自分にとって大きな財産となります。礼儀、所作、気配り、身のこなし、そして力士としての在り方——すべてを間近で見て学ぶことができるのです。
ときには厳しく叱られることもありますが、それも成長の糧。信頼される付け人は、自然と周囲の評価も高まり、次の昇進にもつながります。相撲界においては、「支える力」こそが最終的には「自分を支える力」になるという、独特の価値観が根付いているのです。
待遇の違いがすごすぎる!横綱だけの特別な権利とは
負け越しても地位が下がらない理由
相撲界において、番付(ランキング)は非常に厳格な制度です。たとえ大関でも、2場所連続で負け越せば「陥落」となり、再び昇進するには条件を満たさなければなりません。しかし、横綱だけは唯一「負け越しても地位が下がらない」特権が与えられています。
その理由は、横綱が「番付の頂点」であるという存在であるためです。格闘技としての強さだけでなく、「精神的な支柱」としての役割も担う立場であり、軽々しく上げ下げできない格式を持っています。つまり、横綱は「相撲界の象徴」であり、その存在が揺らぐことは許されないのです。
ただし、これには重大な責任も伴います。あまりにも成績が振るわない、または品格を欠くような行動をすれば、相撲協会から「引退勧告」が出されることもあります。過去には、横綱白鵬や朝青龍のように、物議をかもした言動で厳しい批判を受けた例もあります。
この「負け越しても地位が守られる」という制度は、一見すると優遇されているように見えますが、裏を返せば「自分から辞めなければならない覚悟」が求められる制度でもあるのです。
引退後も“横綱”の名前で年寄に
横綱を引退した後も、しばらくは“横綱”の名のまま相撲協会に残ることができるのも、大きな特典です。通常、現役を引退した力士は「年寄名跡(としよりみょうせき)」を取得し、部屋付き親方や協会員として活動しますが、横綱経験者に限っては“特例”として、最長5年間は「横綱○○」のしこ名のままで在籍することが認められています。
これは、横綱という肩書がそれだけ重く、相撲界において特別な存在であることを意味しています。引退後も、その名声と経験を活かして若手の指導に当たったり、巡業のリーダー的存在として活動したりすることができます。
たとえば、第69代横綱・白鵬(現・宮城野親方)も、引退後しばらくは「横綱白鵬」として各メディアやイベントに出演しており、ファンからの認知度や影響力は変わらず健在でした。大の里も将来的には、そのような活動をする可能性があります。
この制度は、功績を称え、次の世代にその精神を受け継がせるという意味でも非常に重要です。
国技館での特別な扱い
横綱は、国技館や巡業先での待遇にも大きな違いがあります。たとえば、控室の場所。通常の力士が共同で使う「支度部屋」とは別に、横綱には専用の広々とした個室が用意されます。この部屋では、落ち着いて準備ができるだけでなく、外部の来賓や関係者との面会にも使用されます。
また、取り組み順でも常に「結びの一番」として登場するため、その登場は本場所最大の見せ場となります。取組表でも一番最後に名前が載り、会場の照明や演出も最大限に盛り上がるよう工夫されています。
さらに、弓取式(ゆみとりしき)という最後の儀式は、横綱の勝利を讃えるために行われるものです。このように、横綱の存在は、単なる競技者というよりは「神聖な存在」として演出されているのです。
こうした“見せ方”の徹底ぶりが、横綱という地位の格式と魅力を高めている要因の一つでもあります。
横綱土俵入りと神事の意味
横綱といえば、やはり「土俵入り」が最大の見せ場のひとつです。太刀持ちと露払いを従え、立派な綱を締めて神前に向かう姿は、まさに日本の伝統文化そのもの。実はこの土俵入りには、単なるパフォーマンス以上の深い意味があります。
そもそも相撲は、神に奉納する神事として始まった歴史を持っています。土俵は神聖な場所であり、そこで行われる取り組みも、神に捧げる儀式の一環です。横綱土俵入りでは、足を大きく上げて四股を踏み、邪気を払う意味があります。また、両手を広げてからゆっくりと腰を落とす動きは、「私は武器を持っていない」という潔白を示す平和の象徴でもあります。
このように、横綱は「力の象徴」であると同時に、「清らかな存在」でなければならないのです。大の里も初めての横綱土俵入りを通して、その神聖な儀式に込められた意味を深く理解し、背負う責任の重さを実感することになるでしょう。
歴代横綱と比較した待遇差
歴代の横綱と比較しても、現代の横綱はさらに待遇が充実しています。たとえば、昔は交通費や宿泊費が自己負担だった時代もありましたが、現在では相撲協会がすべて手配・負担するようになっています。また、メディア露出やスポンサー収入なども時代とともに増え、金銭面でのサポートが大幅に強化されています。
特に、大の里のように若くして横綱に昇進した場合は、長期にわたる活躍が期待されるため、より手厚い支援体制が整えられています。これは、相撲人気を維持・向上させるためにも必要な投資と言えるでしょう。
また、引退後のセカンドキャリアにも配慮されており、親方としての独立や解説者、メディア出演、イベントプロデュースなど、多様な道が用意されています。まさに「国民的英雄」としての人生が始まるのです。
知られざる相撲界の「お金と地位」の裏話
年収ランキングで見る横綱の立場
相撲界での収入は番付によって大きく異なりますが、横綱はその中でも圧倒的な地位にあります。月給300万円に加え、懸賞金、巡業手当、賞与、出演料などがあり、年間の収入は最低でも4000万円〜5000万円以上にのぼります。これに成績や人気によって変動する「懸賞金」や「報奨金」が加わると、年収1億円に届くことも珍しくありません。
たとえば、1日10本の懸賞がつく取り組みを15日間こなした場合、それだけで懸賞金約750万円。さらに優勝賞金1,000万円や、報奨金制度もあるため、ひと場所での収入が一気に跳ね上がることもあります。
一方で、関脇や小結などの三役力士の年収は2,000万円〜3,000万円ほど、十両では1,000万円前後、幕下以下は手当中心の生活です。このように横綱は収入面でも別格であり、相撲界の「頂点」であることが数字からもはっきりと示されています。
この経済的インセンティブが、力士たちのモチベーションを支える大きな要素であることは間違いありません。
一般社会と比べてどう違う?
相撲界の収入システムは、サラリーマン社会とはまったく異なる独自の文化を持っています。たとえば、基本給が完全に番付によって決まるという点。一般企業では成果や役職によってボーナスや昇給が決まるのに対し、相撲では勝ち星を積み上げて番付を上げることがすべて。そのため、実力主義が徹底された世界だといえます。
また、福利厚生の面でも相撲界は特殊です。力士には住宅手当や通勤手当といった制度はありませんが、部屋での共同生活によって衣食住が保証されています。つまり、収入のほとんどを自由に使える状況にあるのです。
さらに、現役中の報酬に加え、引退後の「年寄制度」によって長期的な安定も確保されています。この点では、一般企業の終身雇用制度に近い側面もあり、「現役→親方→協会運営」へとキャリアパスが用意されている点は、非常にユニークです。
どれだけ稼いでも自由にならない?
一見すると高収入の横綱ですが、その実態は「お金があっても自由がない」職業とも言えます。まず、日々の生活は厳しいスケジュールに縛られており、朝稽古から始まり、取材対応や行事参加、巡業など、常に公の場での行動が求められます。
加えて、飲酒や私生活の管理も厳しく、問題行動があれば即座にメディアで報じられ、相撲協会からの処分が下る可能性も。かつては不祥事によって引退や休場に追い込まれた力士も多く、横綱であればそのプレッシャーはさらに大きくなります。
また、衣食住に関しても「横綱らしさ」が求められるため、自由にジャージ姿で街を歩いたり、遊びに出かけたりといったことも難しくなります。高収入であっても、自由と引き換えに「伝統と品格」を守る責務があるのが、相撲界の現実です。
このように、金銭的な成功と引き換えに、常に見られる立場でいるという精神的な重圧が伴います。
横綱の私生活とお金の使い道
横綱の私生活は一見華やかに見えますが、実際は非常に質素で規律正しいものです。高収入であっても、それを派手に使うようなことは少なく、むしろ「後輩への差し入れ」や「部屋の備品の購入」など、相撲界全体のために使われることが多いです。
また、将来の独立を見越して「年寄名跡」の取得資金として積み立てる力士も多く、この名跡は数千万円単位で売買されることがあるため、計画的な資金管理が求められます。中にはマンション経営や投資など、引退後の収入源を確保するために経済の勉強を始める力士もいます。
さらに、家族や親族に仕送りをしている力士も多く、特に地方出身の力士は「地元への恩返し」として、地元の祭りや学校への寄付を行うことも珍しくありません。
横綱という立場にいると、単に自分だけの人生ではなく、周囲を支える「柱」としての責任がついて回るのです。
昇進が人生に与えるインパクト
横綱への昇進は、力士としての最高の名誉であると同時に、その人の人生そのものを変える一大イベントです。収入や地位だけでなく、世間からの評価、報道、社会的影響力までもが一気に変わります。
たとえば、大の里のように若くして昇進した場合、メディアからの注目も強く、テレビ番組やCM、講演などのオファーも増加します。本人だけでなく、所属部屋や師匠、地域社会にも大きな恩恵がもたらされ、まさに「一人の出世が、周囲を豊かにする」という状態が生まれます。
また、結婚や家族の生活にも大きな影響があります。横綱になることで社会的信用も高まり、住宅ローンの審査が通りやすくなる、子どもが有名私立に進学しやすくなるなど、さまざまな“副次的効果”が発生します。
このように、横綱昇進は単なる番付の話ではなく、人生の全方位において影響を及ぼす、大きな転機となるのです。
まとめ
大の里の横綱昇進は、相撲界にとって大きな転換点となりました。力士としての実力だけでなく、その人柄や品格も含めて評価されたことで、真にふさわしい第75代横綱として認められたのです。
横綱になると待遇は劇的に変化し、月給は大幅アップ、付け人は3人から10人へ増加、さらには引退後の地位まで保証されるというまさに“特別待遇”。しかしその裏側には、「負けが許されない重圧」や「日常生活すら自由に過ごせない厳しさ」が存在します。
また、相撲界独自の報酬制度や上下関係、裏方の支えなどは、一般社会とは大きく異なる世界観を持っています。横綱とは単なる強さの象徴ではなく、日本文化と伝統を体現する“生きた象徴”なのです。
今後の大の里が、土俵の上でも外でもどのように「横綱道」を歩んでいくのか、多くのファンがその姿を見守り、期待しています。今回の昇進は、若い世代や相撲ファンだけでなく、日本全体に勇気と希望を与える出来事だったといえるでしょう。

